イラストレーター群青亜鉛が発信する、104歳おばあちゃん介護のイラストエッセイ。介護の工夫と次の一歩。

『介護現場は、なぜ辛いのか―特養老人ホームの終わらない日常 』

5月 28 2012 | 読んだ本

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本屋でたまたま社会問題のコーナーの本棚で見つけ、手に取り即購入。冷静な視点で書いてあるので読み易い。ざざざざーっと一気に読む。

50代半ばの著者が、お母様が脳梗塞で倒れられたのをきっかけに、ヘルパー2級の免許を取り、実習で入った病院の療養病床での様子や、実際特養ホームで5ヶ月間働いてみての現実、意見、提言、提案。

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(単行本)
介護現場は、なぜ辛いのか―特養老人ホームの終わらない日常
著者:本岡 類
出版社: 新潮社
単行本: 251ページ

(文庫)
介護現場は、なぜ辛いのか: 特養老人ホームの終わらない日常 (新潮文庫)

〈介護の職員になってみようか・・・〉
自ら糞尿の飛んで来る現場で一定期間、働いてみなければ、”歪み”の実態は知る事ができないのかもしれない。介護の歪みの実態を知る事が出来るかもしれない、介護について新しい提案をすることも出来るだろう。(P10より)

私が特別養護老人ホームで働くことになったのは、介護現場の実態を知る事が第一の目的だったが、その他に一種の人体実験をやってやろうとも考えていたのである。
リストラされた多くの中年男性が、介護の世界を目指しているという話は、以前から聞いていた。中年を過ぎてから、過酷な労働では定評のある老人介護施設で働くのは、肉体的に可能なのか?中高年男性の介護転職は、いったいどの程度あるのか。(P127より)

・・・・・著者の介護の世界に入ろうと思ったきっかけの思いの箇所を、抜粋させて頂きました。

◇。◇。◇。◇。◇。◇
本の内容とは少々離れますが、101歳の祖母が特別養護老人ホームに入所出来て既に10年になります。その前には在宅介護も約10年。在宅時に利用していた介護サービスでも、「えっ?ウソやろ?」と驚くことは度々で、特養ホームに入所しても、「えっ?」と思える事は何度もありました。

特養ホームに入所する前にこの本を読んでいたら、変に頭を悩ませることもなかったなあ〜と思える内容が随所に。

職員さんの働く様子で「とても忙しい」事は分る。けれどその理由や実状や問題点は、入所者家族には見えないのです。

そしてどこまでの介護をお願い出来るのか。どれ以上になったら、文句言いのうるさい家族になるのか?ムムム?その境界が曖昧で分かりにくい気がするのだ。

母体の法人の理念等も含め、施設の方針や、施設長さんの考え等も大きく影響してくる。

依頼の申し送りは、主任さんに伝えたとしても直ぐに広まるわけでなく、どうしても時間がかかる。

職員さんにどこまで浸透しているのかは、家族もマメに様子を見に行き、本人の身体の状態や動作等をみてないと掴めない。職員さんの目指すレベルと家族の目指すレベルが大きく食い違っていることもあるからだ。スタッフさんの経験値や、持っている介護や知識の力量にも左右される。

職員さんの働く様子もみながら、曜日ごとの動きも見ながら、やり取りして、反応を見ながら、予想を立てて、想像して、家族としての基本の体制を整える、そんな感じである。(偉ぶって言うてスミマセン〜)

新しい試み:期待:希望:不安:あきらめ:投げやり?:少しの希望:接点:少しの成功:安堵:もちょっと前向きにやってみようか、、、。と、そんな繰り返し〜。

家族も力を出しながら、施設でやってもらえる事と本当の要望とのすり合わせに頭を悩ませ、妥協点と収まりドコロを見いだし、日々の介護をお願いしている〜そんな様子である。

この本を読んで、施設職員さんの実状が垣間見え、それを受け止めた上で、家族はどうしたらいいのかが考えられる題材になる様にも思えました。
◇。◇。◇。◇。◇。◇
介護の現状をもう少し離れた視点での感想や意見を知りたい、と、私がぼんやり思っていた時に出会えたオススメ本です。介護施設の現場と現状を理解するきっかけとなると思えます。


【群青亜鉛(ぐんじょうあえん):介護イラストレーター】
ウェブマガジン介護ライブラリにて「自宅で介護お助けヒント集」月いち連載中>こちら
103歳特養ホーム入所中祖母ばあこをトキドキ通い介護中12年目。在宅で9年半親戚同士で介護。(2014年4月現在)

《2013年9月神戸で個展♪ご案内》こちら


介護は幅広い知識があったほうが楽です。在宅介護のご家族は、介護職や看護師さん、セラピストの方にもどんどん質問して知識を還元してもらって下さいませ。このブログ記事もとっかかりにして頂けたらと願います。

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