男性用小便器&ポータブル式トイレについて
こんにちは。イラストレーターの群青亜鉛です。
これがあると便利やろうなあ〜と思うのが、タイトルの製品です。認知症の方が、家の中のあちこちに立小便して困るんや〜という話を私も時々聞くようになりました。男性用小便器の事は、ネットや介護関係書籍でも未だに殆ど取り上げられていないので、理学療法士の大渕氏と相談の上、以下アップさせて頂く次第です。
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NHKラジオ講座テキスト「社会福祉セミナー」連載(2002年度)。タイトル「介護機器の選択と工夫」第3回「排泄関連」理学療法士の大渕哲也氏による記事の抜粋以下。
「排泄の自立と援助の重要性」
排泄というのは、人間としてもっとも基本的な尊厳に関わる行為ですから、「その人のありよう」に多大な影響を与えます。また、日々繰り返されるものですから、介護負担に与える影響も大きくなります。
そしてこのような排泄行為は、理解力や、意欲等の「精神機能」、移動するための「身体機能」、尿便意と排泄のコントロールといった「狭義の排泄機能」、さらにトイレ構造などの「機器環境」など、様々な要因から成り立っています。この小論では「機器環境面」について具体的に取り上げてみたいと思います。〜中文章略〜
「作り付けから男性用立小便器について」
【図9】の立位排尿姿勢の図をご覧下さい。これは若い男性と高齢男性の立位排尿姿勢の典型例です。
高齢になってくると、たとえ立位歩行は可能であっても、図の様に下肢が曲がり気味で上半身はお辞儀気味となり、腰が後方へ引けてしまいがちです。その上に膀胱の収縮能力も低下してきますから、勢い良く尿が前に飛んでくれません。これが「小便器の前の床をびちょびちょに汚してしまう」大きな原因です。
その度にご家族が掃除をしたり本人も怒られたりしては、お互いに残念な事です。このような高齢男性の特製を考慮した上で、合った便器に付け替える事が出来れば一番よいのですが、大掛かりな工事となりますしお金もかかります。臨時には、【図10】のようなプラ板で対応する事も出来ます。
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「ポータブルトイレについて」
ところで「男性用立小便器のポータブル式トイレ」というのが、未だに既製品の中にはありません。起立歩行能力が低下してきていて、同時に痴呆の問題を抱えている男性の場合、ベッド脇で「立ったままで」排尿したがる方が少なくないですね。ごみ箱や洗面台に排尿してしまう方が珍しくありません(その為に洗面台を低くしてあげた、という寛容な施設のお話まであります。私は苦し紛れに自作したりした者ですが、いずれかのメーカーでよい製品を作ってくれないでしょうか?
(記事抜粋以上。)
じゃあ、洋式便器なら、頭をぶつけることもないし、し易いのかな、と思ったら、えっ?と思う障害物がありました。”便器の蓋”と、”便座”だそうです。年配の男性は、腰を曲げてこの蓋に手を伸ばす事がしんどくて、蓋をしめたまましてしまう方も多いのだそうです。でも、確かに。腰痛になった時は、その動作がしんどい。うーむ、トイレ問題は結構大きな問題であります。
☆群青*介護Blog☆参考記事☆
本日は、男性用小便器について考える〜
Tokonameという聞いたことのないロゴのトイレ
【群青亜鉛:ぐんじょうあえん:イラストレーター 】
◆プロフィール◆介護イラスト&エッセイを得意とするイラストレーター。明るくおもろく大真面目に介護とコミュニケーションの現状と次の一歩を発信中。祖母への”イッチョカミ介護”実践し22年。
◆介護関連著書◆
明るい介護のお助けマンガエッセイ
介護用具・日用品カスタマイズ本(共著)
◆ウェブ連載中◆
こちらウェブマガジン ”介護ライブラリ”にて「自宅で介護お助けヒント集」
“介護ライブラリ” 〜介護の悩みを減らしたい〜