イラストレーター群青亜鉛が発信する、104歳おばあちゃん介護のイラストエッセイ。介護の工夫と次の一歩。

認知症徘徊声かけ模擬訓練?〜市初の「あったか見守り声かけ訓練」に参加する

4月 03 2016 | 地域福祉

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固っ。正式名称?認知症徘徊声かけ模擬訓練?


こんにちは。介護イラストレーターの群青亜鉛(ぐんじょうあえん)と申します。いらっしゃいませ。
本日結構長いです。4000文字。末尾に2016年4月24日の追記があります。

3月中旬に市初の見守り声かけ訓練がありました。一般の方対象です。介護職の方対象ではありませんよ〜キャラバンメイトさん対象でもありません。一般市民・住民が対象です。運営スタッフの数も合わせると、総勢70名の大部隊だったそうです。

市民として参加しましたが、なかなかドキドキいたしました。ほんまに出来るんかいなと自分に思っておりましたが、どうにか無事終了〜。

声かけの模擬訓練?


声かけ訓練って、なんでしょう?
認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らせるように、、、。「地域でも、一人一人がさりげなく見守りが出来たらいいよね。町なかで、不安そうにしておられる方がおられたり、ちょっと状態がへんかしら?徘徊?」と思う方がいらっしゃったときに、お声かけして、次に繋ぐどこかにお連れ出来る様にするのを、みんなでやってみる。という様な訓練です。

「地域の中で、認知症の方が道に迷われている」「認知症の高齢者が家から出て迷子になってしまった」
そんな場面を想定して、その方へどう声かけしたり、その後、どちらに相談したらいいのか等を考える訓練なのだそうだ。
(当日配布パンフレットより抜粋)

まちなかの一定の区域を訓練の区域とし、施設の職員さん扮する徘徊のご高齢者が迷っていらっしゃいます。その様子をみて、やさしくお声をかけ、そのやりとりの中で不安にならないように配慮しながら、どこかに繋げるというもの。(今回は、東西450メートル×南北150メートルぐらいの区域です〜両端に公園がありました。)

この訓練は、今、全国各地でなされているそうです。

プログラム内容は


プログラムは、、、
1.1時間:認知症サポーター養成講座を。認知症について理解しよう〜。
2.15分ぐらい?:皆さんの前で参加者が模擬訓練(オリエンテーション)を行います。
3.1時間:実際に町に出、区域の中で行う訓練。(ぞろぞろゾロ〜)
会場に戻ってから、テーブルごとに振り返り。代表が発表。(おぜんざいを頂きました)

一人で声かけしてもいいし、グループでやってもいいとのこと。私は母よりも上の世代のご婦人とご一緒に行動しました。声かけはほとんどご婦人がなさり、わたしはそのフォロー役?サブの頷き役でございました。ご婦人とっても自然なお声掛けをされ、ほれぼれしてしまいました。声かけの鉄則は、姿の見える前からが必須なのだそうです。後ろからは驚かれるのでNG〜。

なんで参加したの?


なんでそれに参加したのかと訊ねられれば、その地域に介護者家族会でもお世話になっている知り合いの方が住んでおられたということ。もうひとつは、とにかく参加したら誰かにお話が出来るだろう、どこかで話して誰かの役に立てるかもしれないから、、、そんな理由です。 参加したらどないかなるやろうと。

1月には市民キャラバンメイトさんの行う学童保育(地域により呼び方が異なります)での紙芝居に同行致しました。小学3年生までの子供さんに向けての認知症サポーター養成講座で、介護経験者である当事者キャラバンメイトというのがポイントなんです。瞳キラキラお子たちの前で、いっちょかみで急遽ナレーションもすることになりました。そのことを公の場で話す機会があり、市民の自発的な活動をお役所の方等にもいち早くお伝えする事が出来たと感じました。とっさに閃いての発言だったのでシドロモドロ、ですが、体験しておればイザというとき話が出来てどうにかなるものね〜と思ったわけなんです。

声かけ訓練の参加者は20名ほど?それに対して、徘徊者役に扮する施設職員さん6名。それぞれに記録係とタイムキーパーさんが着いておられ、5分間の中での対応を見守って下さるというもの。最初にも申しましたが、スタッフもあわせると、約70名がこの訓練のためにその日力を出されたのだとか。

最初はみなさん恐る恐る、、、といった様子でしたが、だんだんのって来て、次々っ、という風になり最終的には、声掛けの順番待ちになりましたよ。 

自分への気づきは


実践前の模擬訓練で手を挙げ声かけをさせて頂きましたが、振り返ってみても、いつものぼやぼやーんなやり取りだった気が。それはおそらく普段の自分に近いのかと感じ、祖母が入居していた特養での経験が大きいのかしらと思えました。

1.施設で長い間、職員さんの入居者さんへの接し方を常に見聞きしていたこと。ご挨拶は日常で、時々簡単な声掛けややり取りもしていたこと。
2.昨年末から傾聴ボランティアで特養へ伺いフロアでご高齢の方々と接する様になり、お声掛けすることが日常になってきたこと。  

この2点が浮かびました。 職員さんの接し方はとても学びになっています。時々自分のしゃべり方が、あっ、これは職員Aさんのとそっくりだ、こっちはサバサバTさんねっ、と感じる事がありますもの。

全国の介護職の皆さま、それぞれに真摯な接し様は、必ずどなたかの学びになっています。背中は誰かが見ていますよ〜必ず。

サポーター養成講座だけでは私はオレンジリングを着けられず


ワタクシ認知症サポーター養成講座は過去に2回受けた事があります。ですが認知機能障害を発症してしまった家族を看たという経験もなく、座学のみでは咄嗟に対応が出来るかどうか不安です。 手助けを求められても困ると思い、オレンジリングは着けられませんでした。声かけ訓練はすぐ実践があるので、身に付くように思えましたし、これは他の地域でも出来んことはないよねと感じました。

しばらくしてから、思い切って自分の地域で認知症サポーター養成講座を提案してみました。既に開催されていたとのこと〜。あらそうだったの?なんで〜全然知らなかったわ〜広報してた?と気になり社協さんに尋ねましたら、老人会での主催でしたよとのこと。うーん私には連絡が来ないわけか〜。

働く世代にも必須では。子どもさん向けにも

話は発展して、基礎の認知症サポーター養成講座について。これはご高齢の方だけでなく、働く世代や若年層にも行って頂きたい〜。 働き盛りの方の介護離職も問題になっておりますし(年間10万人が退職!って尋常じゃございません!)若年性認知症を患う方も増えています。

平成24年度の総務省の就業構造基本調査によると、働く介護者(ワーキングケアラー)は 291 万人(男性 131 万人,女性 160 万人)で、 その中心を 40 代,50 代が占めている

のだそう。 

企業が社員の 介護実態を把握していない「隠れ介護」は 1300 万人にのぼる(『日経ビジネス No.1758』)。そんな数字もあるそうです。

(参考資料)
日本労働研究雑誌 2015年 5月号(No.658)
介護は労働に何を問うのか 
斎藤 真緒 氏(立命館大学准教授)論文
家族介護とジェンダー平等を めぐる今日的課題 ─男性介護者が問いかけるもの より。

この働く介護者の中で認知症を煩った親族を看られている方も沢山いらっしゃることと存じます。

育児と介護が重なるダブルケアなる言葉も生まれております。育児が大変ですので、介護に関しては水面下で表に出辛く、ネットの情報を駆使して日々を乗り切っている(ストレス解消を含めて)という声も聞かれます。着実に数が増えています。そんな時にSOSが出し易い繋がりはどうしたら出来るのでしょう〜?

テレビやネット、新聞では、認知症に関する情報が増えましたが、不安を煽るだけのような印象も残ります。どうしても隠してしまう方向に行くのでは?まだまだ声を上げ難い風潮があります。マスコミからでなく、地元に根ざした情報がもっと必要やん、座学も実践も有る「声かけ訓練」は、地域で仕事をされている専門職の方とも繋がれいいなあと私には思えました。

どんな家族形態でも参加し易そう


地域の交流が薄くなった、高齢化を感じる、どうしたらいいのだろう?と思われているかたは沢山いらっしゃると思います。焦って親睦のためにいろいろなイベントを企画せずともこの訓練にはいい要素がいくつか。垣根がなくなるというのでしょうか〜。独居、高齢者のみ家族、多世代家族、子どものあるなし等、それぞれの家族の形態に関わらず参加出来る数少ない学びの場の様に思えます。

知っておいて損はない内容。子どもがいないものにとっては、自治会とか地域活動って、ものすご〜く縁遠いんですよね。家族の形はどんどん変わっているのが現状で、色々な家族形態があるのが当たり前とした上での声かけ訓練は、なんだか魅力がございます。

誰にでも認知症になる可能性があり、認知症への理解は他人事ではございません。(100歳になると物忘れは100%だとか)ちょっとした気配り、人への声かけの練習になると感じましたよ。取り急ぎのご報告まで〜。 

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介護職についておられる方は、熱い思いを持ってらっしゃるので、伝えたいことがいっぱいおありです〜、けれど、一般の方の正直な感想や思いはなかなか聞く機会がないので、そちらのお話をもっと伺いたいたかったな〜と思いました。

2016年4月24日追記
この話を介護職のお若い知人にしましたところ、「そんなことをワザワザしなくても、ご近所の人らが集まってお茶飲みながら話が出来る方がよっぽどいいんじゃないの?なんかイベントしたりして。ぐんじょーさん認知症の徘徊の人が歩いてはるのを見た事ある?そんなん、声なんてかけられへんよ。というか、あまりにも普通でわからないこともあるし。わざわざそんなタイムキープしたりして、訓練する必要がほんまにあるんかなあ。」とそんな反応。一瞬凹んだワタシです。ozr,ううう、確かによ、認知症の家族を看た経験はないわよう、経験値がものを言うんなら、何にもできないじゃーん。

でもねそれがねえ出来ない昨今とちゃうの〜?と思うわけなんですよね。イベントって言っても人集まらないし、(地元地域の運動会?夏祭り?ごめんなさい、行かない行かない。お花見は参加、でもお姑さま世代にはなんだかコワいオーラを感じます。)世代にもよると思いますが、ご近所のお茶飲み会にわざわざ時間作って参加しますか?わたしなら何かプラスになるものとか 学べるものがないと、まず行こうとは思いません〜(時間もないし)。この声かけ訓練なら、参加したいっ。

だって、不安じゃない!


やはり自分の両親やオットの両親、周辺の人、ご近所の方が、もし、認知機能障害を煩ったら、、、自分が対処仕切れるかしらん、という不安は心の中にありますもん。 

皆が徘徊症状が出る訳ではありませんが、もしそんな時に、家族だけがいっぱいいっぱいになって、理解者が周りにいなくて、認知症が理解出来る人もまわりにいなかったら、専門家しか相談相手がいなかったら、、、、困りますもの〜っ!!毎日心休まらず、疲弊して、げそげそになって、話が出来るのは家族会でだけって?それもしんどいやん。

分る人が一人でも増えるのは大切ですもん。そしてちょっとした声かけ、普通のなにげない笑顔の挨拶が出来たなら、、、。いいんとちゃいますの〜ん?

あくまでもきっかけきっかけ。試せるものがあるのなら、なんでもやってみたらいいやんと思うのですよね。やる前からあれやこれや、言うても、しゃーないやん。

なんだか、自分の自治体の広報隊になってるような気がするんだけど。社協の応援隊なっているような気がするんだけど。まじめっこ優等生っぽくてなんだかなあと思うんだけど。まっ、いいか。
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参加者の感想から2016年4月26日追記

声かけの第一印象は

  • 「勇気がいる」ということ
  • 怒られないかと心配
  • 声をかけていいのかの判断を実際の場面では戸惑うことが多いと思う
  • 急いでいたりして自分に余裕がないと声をかけられない
  • 声をかけて、話していくと

  • 認知症の方は不安な気持ちでいることを実感
  • 先ずは安心してもらうことが大切
  • 否定しない。認めて、寄り添う
  • 安心・安全な街とは

  • 日頃から街で出会う方と挨拶をかわす
  • 顔と顔が見える関係を築いていくことが大切
  • あったか見守り声かけ訓練に参加して

  • 挨拶や天候の話は出来るが、どうしてあげたらいいか、家族や警察にどうつないでいけばいいのか戸惑う
  • 訓練では初めから認知症の方として接していたが、認知症なのかわからないことも多いと思う
  • 「見守る」ことは認知症の理解を深めることから始まる
  • 今回の訓練には地域の施設や包括支援センターの職員の方が多く関わっておられ、自分の住む街のそばに、たくさんの目と手がある事がわかった。
  • (実施地域での広報便りより抜粋)

    ————————-
    記事の中には、介護をしながら仕事についている方に関するものがありました。
    こちらには、介護と労働に関する内容がいろいろ載っています。ご参考まで。
    独立行政法人 労働政策研究・研究機構
     特集:介護は労働に何を問うのか

     日本労働研究雑誌 2015年5月号(No.658)
    内容抜粋以下
    ・両立支援ケアマネジャーの育成を
    ・超高齢社会の日本における介護をめぐる法制度の現状と課題
    ・介護労働力不足はなぜ生じているのか
    ・介護職員のストレス
    ・仕事と介護における「両立の形」と「企業に求められる両立支援」
    ・ケアマネジャーによる仕事と介護の両立支援の現状

    gunjoaen

    【群青亜鉛:ぐんじょうあえん:介護イラストレーター

    ◆プロフィール◆
    介護イラスト&エッセイを得意とする。享年104歳ばあちゃんへの”いっちょかみ介護”を親戚を交えて22年行う。(在宅9年半施設入所12年)お面白く辛口も含む切り口は、家族介護者だけでなく介護職や医療関係者からも秘かに支持を頂いています、オホホ。骨格大好きイラストレーター。介護HP開設19年目。
    ◆介護関連著書◆
    介護のお助けマンガエッセイ
    介護用具・日用品カスタマイズ本(共著)
    ◆ウェブ不定期連載中◆
    こちらウェブマガジン ”介護ライブラリ”にて「自宅で介護お助けヒント集」
    “介護ライブラリ” 〜介護の悩みを減らしたい〜


    介護は幅広い知識があったほうが楽です。在宅介護のご家族は、介護職や看護師さん、セラピストの方にもどんどん質問して知識を還元してもらって下さいませ。このブログ記事もとっかかりにして頂けたらと願います。

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