イラストレーター群青亜鉛が発信する、104歳おばあちゃん介護のイラストエッセイ。介護の工夫と次の一歩。

介護ベッドの背上げ軸位置への問題提起。老老介護では、もう体力が残っていないの。

10月 10 2015 | 介護福祉用具

こんにちは。介護イラストレーターの群青亜鉛(ぐんじょうあえん)です。
ベッドの背上げの屈曲軸_頭より過ぎるやんベッドの構造からどうにかして欲しいと改めて思う、介護現場のお話を聞く機会がありました。この対応は、介護ベッド(特殊寝台)をガラパゴス化させてしまうことになるのでしょうかね?日本だけの問題なのかしら?

ベッドの端に腰掛け、まんま横になるだけじゃNG?


介護ベッドの端に腰掛けて、そのままするりとベッドに横になる。何も考えずその位置から特殊寝台の背上げ(背ボトムとも呼ばれる。背中の板の事ね。)を上げると身体によくないということをご存知でしょうか?

介護電動ベッドの背上げが折れ曲がる元の軸は、結構頭寄りにあり、そのままだと脊柱の真ん中から背上げを上げられる様な形になるのです。背中の極端な猫背(専門用語では円背(えんぱい)と呼ぶ)を促してしまいます。

胸は圧迫され深い呼吸が出来なくなる。横隔膜がしっかりと下がらず、肺に空気が入らないから、首筋にある呼吸補助筋というものを活用するようになり、体中が緊張して拘縮を助長してしまったりもするそうです。

そのためひと手間が要ります。股関節の位置と屈曲軸が同じ位になるように、寝ている人の身体を頭寄りに動かすといいのです。入院すると看護師さんがよっこいしょ、とされているので、ああ、そういえばと思い当たる方も多いのでは。介護士さんももちろんやってらっしゃいますよね、よっこいしょ。

その手間を、ズリ落ち対策として移動させるのだ、と思ってらっしゃる方が殆どでは?”背上げの軸位置が頭の方に寄り過ぎてる事が大元の原因”と理解する方は少ないかもしれません。身体を頭のほうに移動させる事は、介護のコツとして必ず伝授される内容です。ですが老老介護ではしんどくてとてもじゃないけれど出来ないという現場の声が聞かれます。

「介護ベッドの背上げが曲がる軸(屈曲軸)と、サイドレールとの関係」

「介護ベッドの背上げが曲がる軸(屈曲軸)と、サイドレールとの関係」

この写真画像のベッドで最新機種です。屈曲軸がベッド柵より頭寄りなのがわかりますでしょうか。これ、ほんのちょっとだと思いますよね。でも、背上げを上げると、身体は引力でずり落ちるのが地球上の法則ですから、そのズレ落ちも考えると頭の板に頭がぶつかるぐらい上げないといい感じの姿勢にはならんのです。

80歳代、90歳代の人がベッド上で要介護者を頭の方に移動出来るかというと難しい。スライドシートを使ったらいいやん〜とか、ポリエチゴミ袋を使ったら移動させるのが楽よ〜と私はここでも介護ライブラリでも書いていますがそんな問題ではないのだという。(参照こちら寝かせるまででもう介護者はぐったりなのよね、どうにかならないものかしら。上げるまで、もう、そこまで体力が残っていないのよね〜。と、見守りをしている知人の言葉。きっと超高齢化社会の日本では全国的に当たり前の様に見られる風景だろう。

機器に人があわせるんじゃなく、無意識でも困らん改良切望


そろそろベッドメーカーさんは本気で取り組んでもらわんといかんのとちゃいますかしらん。端座位(たんざい:ベッドサイドに腰掛ける事)になって、そのまま横になっても大丈夫な様に。ちょっと上に移動させなくてもいい様に。そのひと手間が減るだけでどれだけ毎日の介護が楽になるか。

このひと手間は現状の介護ベッドに合わせた仕方のない手間。この問題が器具から解決すれば、その余力は別な事にまわせるだろう。

知人の理学療法士さんから聞いた話によると、某メーカーさんの介護ベッドは少しづつは改善されているらしい。5年毎位ごとに2センチは屈曲軸が真ん中寄りになっているそうだが、亀の歩みに思える〜。

思いつく対策は2通り。1.ベッドの背上げの軸をもっと中心寄りに持ってくる。あるいは、2.サイドグリップの位置をもっと頭よりに持って行く。早く進めて欲しい。イラストの解説は極端です。メーカーさんにより大きく差があり、ここまでなっとらんで〜とハテナを感じるかもしれませんが、やはり移動が必要にはなる。(立ち上がりの為の移動バーの場合はもう少し端に寄っているので、まだましではあるのだが)

この大改革は、痒い所に手が届くような小さな工夫を盛り込む事よりも、もっと大事なことだと思うのだ。作る上でのハードルはイロイロあるだろう。企業さんにも、是非是非お願いしたい。来年度発売の製品では、そのあたりを又注目したいと思う。

※この対応策は、外付けの移動バーを設置する事で解消はされます。ですが、施設入居者でそれが出来るか?在宅ならば可能性はあるが、場所を取る等があり、よほど配慮がないと難しいのではなかろうか〜。(レンタルでも費用が発生しますからねえ〜)

群青亜鉛の関連記事↓
ギャッチアップベッドのハテナ。
電動ベッドと背上げの屈曲点とマットの関係
介護ベッドの疑問と不思議編(介護ライブラリへの提供記事

gunjoaen



【群青亜鉛:ぐんじょうあえん:介護イラストレーター

◆プロフィール◆
介護イラスト&エッセイを得意とする。ばあちゃんへの”いっちょかみ介護”を実践。おもろくも辛口も含む切り口は、家族介護者だけでなく介護職や医療関係者からも秘かに支持されている オホホ。骨格大好き。

◆介護関連著書◆
介護のお助けマンガエッセイ
介護用具・日用品カスタマイズ本(共著)
◆ウェブ不定期連載中◆
こちらウェブマガジン ”介護ライブラリ”にて「自宅で介護お助けヒント集」
“介護ライブラリ” 〜介護の悩みを減らしたい〜

[`evernote` not found]

介護は幅広い知識があったほうが楽です。在宅介護のご家族は、介護職や看護師さん、セラピストの方にもどんどん質問して知識を還元してもらって下さいませ。このブログ記事もとっかかりにして頂けたらと願います。

Posted by | no comments for now

にほんブログ村 介護ブログへ人気ブログランキングへ

Comments RSS

コメントはココ


*送信前にお読みください。
初めての方の投稿は「管理人の確認後に表示されます」のでご注意ください。返信等は、普段このコメント欄に書き込みします。メールの返信をご希望の方は、その旨お書き添えください。