イラストレーター群青亜鉛が発信する、104歳おばあちゃん介護のイラストエッセイ。介護の工夫と次の一歩。

逝ってしまいました

10月 01 2015 | ばあちゃん日記

gunjoaen
こんにちは。群青亜鉛(ぐんじょうあえん)です。昨年に引き続き介護エッセイに応募しましたが、あらまあ残念選外でした。せっかくですから、またこちらで掲載致します。どうぞお読み下さいませ。
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作品タイトル「逝ってしまいました」


この世から祖母がいなくなってしまった。だが、祖母が亡くなった実感は未だにない。先日初盆を終え、気持ちの整理がつき、漸く「逝ってしまいました。」と言えるようになった。 けれど私の中では生き続けており、年齢を重ねている。

特におばあちゃん子でもなかった私が、使命感を帯びて祖母の介護に関わったのが27歳の時。脳梗塞の後遺症で片麻痺となってからの密なお付き合いだ。それから22年が経った。104歳まで生きた祖母は、もの凄いやり手だったんじゃなかろうか。 孫に「介護をしてあげなきゃ」と思わせ行動にも移させたそのばあちゃん力、天晴れである。

言葉が少なく、あまり話をした記憶はないのだが、祖母にはなんともいえない魅力があった。飄々としていて、周囲がついクスッと笑ってしまうユーモラスな表情と間が。ぼんやりしている様で、全てお見通しとしか思えない時々の反応が。敬意を感じると共に、常に心を和ませてくれた。

最期の1年では、誤嚥性肺炎や尿路感染で頻繁に入退院を繰り返すようになった。今その頃の写真を見ると、とてもしんどそうなのがよく分かるのだが、その時は祖母への日々の対応に夢中で、冷静に見られていなかった。

亡くなる3日前には、入院した病院の個室から、看護師さんの詰め所の横の処置室へと移された。救急病院ではその移動はもう手の施し様がないという合図らしいが、私は又元気になって施設に戻れると信じていた。関節の固まりが進む祖母の寝姿勢を、施設にいる時と同じ様にクッションを使って整えていた。

前日面会に行くと、体が緩んでいて不思議に思ったが、数が足りないからクッションを増やしておいてねと、介護中心者の母にお願いをしていた。

そんな日がいつもの様に続くと思っていた次の日の早朝、眠る様に息を引き取った。

在宅で親戚同士の介護が9年半。特別養護老人ホームに入居してからは12年。ああしてあげればよかった、こうしてあげればよかったという後悔は幾らでも出てくる。

縮こまり固まってしまった関節と体を緩めるために、試行錯誤して作ったクッションは、今でも押し入れの中に置いてある。後悔せぬ様にと、何ヶ月か前に極端に曲がった円背と体に合わせて新調した車イスは、背中の張りも変えずにそのまま廊下にある。

その何年かスタッフの方々とのコミュニケーションを通して、自己流で学びながら感じたことは、介護は情熱だけでは続かないということ。やはり根拠のある知識が家族にも必要だということ。その介護に関する知識も日進月歩、驚く程変わり続けていて、常に更新し続ける潔さが必要だということ・・・。

加えて、プロの視点だけでは偏った見方になりがちだとも感じた。家族からの視点も大切に共有することが、今後増々大事になっていくのではないだろうか。

その辺り、自分の経験として家族の立場でメッセージをしていければと思っている。細く長く、おっちらおっちら伝えて行きたいと考えている。

gunjoaen



【群青亜鉛:ぐんじょうあえん:介護イラストレーター

◆プロフィール◆
介護イラスト&エッセイを得意とする。ばあちゃんへの”いっちょかみ介護”を実践。おもろくも辛口も含む切り口は、家族介護者だけでなく介護職や医療関係者からも秘かに支持されている、オホホ。骨格大好き。

◆介護関連著書◆
介護のお助けマンガエッセイ
介護用具・日用品カスタマイズ本(共著)
◆ウェブ不定期連載中◆
こちらウェブマガジン ”介護ライブラリ”にて「自宅で介護お助けヒント集」
“介護ライブラリ” 〜介護の悩みを減らしたい〜


介護は幅広い知識があったほうが楽です。在宅介護のご家族は、介護職や看護師さん、セラピストの方にもどんどん質問して知識を還元してもらって下さいませ。このブログ記事もとっかかりにして頂けたらと願います。

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4 Responses to “逝ってしまいました”

  1. この度は誠にご愁傷さまでございます。
    おばあさまのために微に入り細に入り、色々工夫し、ご家族で努力されてこられましたのに、残念でなりません。
    ご家族の皆さまには、さぞお力落としのことと存じます。

    心からお悔やみ申しあげます。

    01 10月 2015 at 1:33 PM

  2. gunjoaen

    POTE様、こんばんは。お気遣い頂きありがとうございます。

    ようやく心落ち着き、気持ちの整理も出来ましたので、ご報告を兼ねアップ致しました。
    祖母の介護の経験から、多くの方のお役に立てるだろうアレコレはまだまだ無尽蔵〜に眠っておりますので、継続して出来るだけ記して行きたいと思っております。

    又ちらりちらりと、いらして下さいませね。いつも書き込み頂きありがとうございます。

    01 10月 2015 at 9:45 PM

  3. うす紫式部

    ご愁傷さまです。
    ユーモラスに表現される介護の知恵をなんとかマネしたいと読ませていただいております。

    05 10月 2015 at 12:05 PM

  4. gunjoaen

    うす紫式部様 こんばんは。
    コメント下さりありがとうございます。
    ユーモラスとの表現を頂き嬉しいです。
    どうぞちらっちらっと、又いらして下さいませ。
    ぼよよんと、どうぞ。

    05 10月 2015 at 11:37 PM

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