イラストレーター群青亜鉛が発信する、104歳おばあちゃん介護のイラストエッセイ。介護の工夫と次の一歩。

食事介助には、シリンジを使うという方法もあったのか

9月 15 2015 | 人の身体と動作

こんにちは。介護イラストレーターの群青亜鉛(ぐんじょうあえん)です。
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この写真は、祖母の入居する特養で撮影した2年半程前の昼食です。祖母の食事は向かって左のとろみ食。噛んだりも出来る方の常食は向かって右です。食事どきは食事介助で手一杯。祖母の様子と食事を撮影出来たらいい方なので、常食まで撮影出来る事は珍しく、少し以前のものになりますがアップしました。

「口から食べるを支える」セミナー受講

介護食について更に考えを深くしたのは、先日2日連続で受講したセミナーででした。

9月12日(土)お食い締め勉強会(2時間)
9月13日(日)口から食べるを支える勉強会(5時間)

言語聴覚士でもあり歯科博士でもある牧野日和氏による西宮福祉用具体験会主催の勉強会です。
※「お食い締め」とは:牧野日和氏が考えられた、食べる機能が衰えた方への段階的アプローチでもあり、造語です。

「お食い締めの実践」


初日は西宮市薬剤師会共催のシンポジウム。タイトルは「在宅介護勉強会」最期まで口から食べたい〜お食い締めの実践〜
在宅での看取り期の食事支援。動画を約20本たっぷり拝見しながらの内容でした。

イマドキであります。
スマートフォンを活用し、LINEと、録画動画を使いながら、遠隔で先生に見てもらいながら、同時進行での実践。やり取りの共同発表である。ご家族は、介護福祉士でもあり介護支援専門員でもある澤田氏(孫嫁様)。

病院で一度はもう終末期の状態のおばあさまが自宅に戻られ、お食い締めをしてみたところ、症状が安定され、今もお元気です、という一ヶ月の報告でした。わたしが驚いたのは以下2点。

側臥位でも食事って出来るんだという驚きと、
シリンジで食べてもらうという手段があったこと。(シリンジ:注射器の針がついていないもの)

重要な点は、バイタルをつねに測っておられたこと。そして呼吸数を測る事の大切さ

施設の方がお食い締めは管理がしやすい?


シリンジで量をみながらの介助は、スプーンより量もきちんとわかるし、遥かに食べやすそうに感じた。5ミリリットルのシリンジを使っての食事介助。特別養護老人ホームなどの方が管理がし安いのではとのことであったがどうだろう?意欲や意識の高く、介護力の高い(?)施設、かつ、お医者様とコミュニケーションが取れていて、家族の理解もあるところならば出来そうだが、現実には少なそうに感じた。

知識のある、澤田氏と先生とのタックだからこそ出来たことだと思うのだが、公に双方がコメントし合えるのは素晴らしい。実践の記録報告が聞け、見られることはなかなかない。

なんだ、そんなやりかたもあるんやね〜。へー、ほー、はー、うーん、うーん、うーん、と私はうなりっぱなしで、口をぽかんとあけて、聞き、見入る感じでした。

先ほども記しましたが、これを施設で試していたならと考えると、施設で出来る事の限界やら、食べる事や嚥下に対する理解力や学ぶ意欲等が職員さんにないと難しいよねと思ったり、常に学び続ける必要性とか、もどかしさや、羨ましさや、いろいろとないまぜになったような気持ちになりました。

一ヶ月間で、意思も伝えられる位の声が発せる様になり、お元気になられたそうです。半年前までは自宅で四つ這いで生活されていたそうで、元からの体力もまだあったのだろうとのことでしたが、それにしても回復とは素晴らしい。端座位をとってもらったりいろいろと介護量が増えたため、介護中心者のお母様の要望により、お喰い締めは一旦休止。食べる能力はもっと戻る様に思えると、先生も澤田氏もおっしゃっておられましたが。90歳代前半でしたか。今もお婆さまはお元気なのだそうです。

それまでのおばあさまの経過

ショートステイ先でインフルエンザにかかり、在宅医のススメで入院。食事時むせが多くなり、誤嚥性肺炎併発。
病院ではミキサー食、とろみ必須の指導をうけられ、誤嚥も多く、吸引も時々、4月にショートステイ先で発熱し、病院へ救急搬送。誤嚥性肺炎の診断にて治療、その後病院と在宅を行き来。経管栄養を薦められ、家族は胃ろうを拒否(ただの延命治療は避けたい)。お医者様は誤嚥性肺炎になるから、病院では食べさせません。食べさせたいなら自宅でどうぞ。との方針。このままでは生命を維持出来ないので、中心静脈栄養を開始したい、とのこと。

ご家族の最終的な判断では、点滴ならばと、鼠径部からの中心静脈栄養に。お婆さまのために、口から食べさせて最期を自宅で迎えさせたい、との思いから、在宅生活を選択。

在宅医より受入可能と回答を得、病院内でサービス担当者会議を開催。(ケアマネ、訪問入浴、訪問介護、病棟看護師長、医師、ソーシャルワーカー、訪問看護し、嫁、孫嫁出席)退院の運びとなる。

訪問看護師さんは、食べたらあかん、誤嚥性肺炎ですぐ死んでしまうよ、とおっしゃるのだが、家族は、本当にその支援でいいのかな?と思う。
そしてお食い締めの先生に、、、、と孫ヨメ氏が打診し、実践にとなったのだそうです。中心静脈栄養の点滴は今でも入れたままだそうです。

まとまりがまだ無い文章ですが一旦公開いたします。

孫ヨメ氏のブログはこちらです。
福祉用具にも明るい方です。介護専門支援員。医療についても充分に考えさせられる内容です。
きみきみのぼちぼちいこか〜
kimkim38.blog96.fc2.com/

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PDFのちらしはこちら→9月12日お食い締め

2015年10月28日追記
お二人での講演は、来年、全国で3カ所決まっているのだそうです。素晴らしい!パチパチパチ拍手です。シリンジの使い方など、おそらくこのページを見て下さった方は、知りたい事が沢山あると思います。そんな方は、牧野先生の研修や講演に参加されるのが一番学びになるのではないでしょうか。


お知らせ:嚥下のアニメーション2点 公開中

《2016年9月公開》
〜舌根−咽頭後壁間の接触を透明化〜「咽頭の解剖生理 / 咀嚼嚥下の一例 (内視鏡検査視線)」動画こちら
《2014年3月公開》
新知見に基づく 摂食嚥下動画「摂食嚥下の解剖生理」Anatomy and physiology of feeding and swallowing(矢状断面図)
こちら

gunjoaen

【群青亜鉛:ぐんじょうあえん:介護イラストレーター

◆プロフィール◆介護イラスト&エッセイを得意とするイラストレーター。家族の視点で、介護の現状と次の一歩をユーモアを交え、えっちらおっちら発信する。ばあちゃんへの”いっちょかみ介護”実践し、お役立ちブログは開設より18年目となる。おもろくも辛口も含んだ問いかけは、介護中のご家族のみならず、介護や医療関係のプロからも支持されている。
◆介護関連著書◆
介護のお助けマンガエッセイ
介護用具・日用品カスタマイズ本(共著)
◆ウェブ連載◆
こちらウェブマガジン ”介護ライブラリ”にて「自宅で介護お助けヒント集」
“介護ライブラリ” 〜介護の悩みを減らしたい〜


介護は幅広い知識があったほうが楽です。在宅介護のご家族は、介護職や看護師さん、セラピストの方にもどんどん質問して知識を還元してもらって下さいませ。このブログ記事もとっかかりにして頂けたらと願います。

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