入院した時、家族介護者の心得とは。
入院しても、家族介護者が精神的に楽な状態ってどんなの?
入院した時、家族介護者の心得とは。
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1.看護師さんに、過度な期待をしないこと。
2.介護力を会得しておくこと。
3.イケズな看護師さんに出会えた時は、
ネタになる。と喜ぶこと。
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1は看護に関してではありませんよ。介護に関してです。施設での丁寧な介護を見慣れていると、入院したときに衝撃が走ります。えっ?
病院は治療する場所だからねと言われればそれまでですが、その大雑把な雑だと感じてしまう介助は心身疲弊している家族には結構な痛手となります。
予めこんなものだと自分にバリアーを貼っておくと、看護師さんのオムツ交換が上手くなかろうが、体位交換が雑だろうが、言葉遣いがつっけんどんであろうがヘッチャラです。
2 に繋がりますが、介護力があると、後は自分でやります。で済むので気持ちが楽です。介護力を日々高めるのは必須項目。過度な期待はしないのが懸命かと思うのです。
3に関しては、入院付き添い経験のある方なら誰しも1度や2度味わった事があるのでは?いけず看護師さん。あるいはやけに偉ぶった看護師さん。
以前祖母が入院した時のこと。体位交換時に、看護師さんが来はった二人のうちの一人が、布団をめくるなり言いはった。
「いや〜ようさんクッションはめて〜。」
ええい、なんちゅう、腹の立つ言い方をする。寝姿に、クッションを沢山あてないと姿勢が保てないのだよ、習ろとらんか?わからんか?
入院するたび、そんないけずナースさん、必ず一人や二人。 NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」の、か◯えお姉様ぐらい、からからっと言い返せたらどんなに清々して楽しいだろか。いかに即時に言い返せるかを、ひそかに練習したりしていた私であるが、残念ながら今回はその必要はなかった。
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今回の入院で、何が楽だったかと言えば、
1.特養ホームで使っているまんまの、ポジショニング用クッションを一式持ち込んで、臨機応変に対応出来る様にしたこと。
2.スライディングシートを持ち込んだ事。
体の移動が楽に出来るから、家族でもらくちんであること。(※カサカサ音のするポリエチレン製ゴミ袋でもヨロシあるね。)
以上2つは病院の売店で売ってません。日常使ってる福祉用具です。これさえあれば100人力。でーんと構える事が出来マッスのよね。ああ、あれが足りんこれが足りんと焦る必要がないのです。ポジショニング用クッションというのは、拘縮して体が真っすぐにならない方のために、安楽に姿勢を整える様にするクッションのことです。
実践力があると、強い。
入院も回数を重ねると、逞しくなる家族である。
と言っても先ほど記した内容は、体力のある場合であります。介護者に体力がない場合は、かなり難しいかもしれません。体力がないときに出来る憂さ晴らしは、
3の、ネタの宝庫として楽しむ、や、
ドラマの台詞として捉え,いかに言い返すかを考える。ぐらいか。
一句。
入院に 運の良し悪しあるなんて 勘弁してくれ カウンターパンチ
真摯に仕事と向き合っている頼もしい看護師さんにたった一人に出会えるだけで、ああ、今回の入院は、ラッキーだウルウル涙、と思えるなんてええんか悪いんか。
今回は、103歳祖母ばあこ、そんな入院でありました。どうにか退院。健やかであります。
【群青亜鉛(ぐんじょうあえん):介護イラストレーター】
◆介護イラスト&エッセイを得意とするイラストレーター。家族介護の視点で、介護とコミュニケーションの現状と問題をユーモアをまじえて発信中。
《介護ライブラリ》:「自宅で介護お助けヒント集」連載中>こちら